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「総長には私の居場所はない。参謀ができた今、なんの役に立つと言うのだ」
その通りなのだ。只でさえ近藤の相談役のような立場なのに『参謀』という位置ができたため、もはや山南はすることがない。飾り物だ。
山南が副長に戻りたい理由はまだあった。
まだあるというより一番の理由かもしれない。
隊士への指揮権が全くないのである。指令は局長、副長、助勤、隊士と流れるためだ。
「うむ…。確かに…」
近藤は頷く。
「戻してくれ」
「わかっ「駄目だ」
近藤の言葉を遮ったのは土方だ。
このまま副長に戻れると思っていた山南は目を見開いた。
「何故だ」
「指揮官が多ければ多いほど隊全体が混乱する」
副長は俺一人でいい。
そう言いたいのだろう。Profit Tax Return In Hong Kong
「じゃあ土方くんが総長に格上げしてもらったらどうだ」
「それは無理な話だ」
いつもは温厚な山南も引かない。お互いがズケズケとした言い方になる。
近藤はオロオロとその場を見守るだけだ。
「土方くんは新撰組をいったいどうしたいんだ!本来は我々も志しているはずの攘夷を説く志士を見つけてはバサバサと斬り倒して!これじゃあ本当にただの人斬り集団じゃないか!」
「あんた。本当にそう思ってんのか…?」
土方は下を向いてフルフルと震えている。
「は?」
「本当にここを人斬り集団と思ってんのかよ!」
土方はいつになくキレている。
「あぁ!そうだ!」
お互い息を荒くしながら座っている。
「………失望したぜ」
「それはこっちの方だ」
「あんた…。伊東が来てからおかしくなったんじゃないか?」
「歳!」
近藤は土方が伊東と言ったことが気に障ったのだろう。
「なにを!」
ガタンと山南は立ち上がる。
「剣を握らない男に指揮官が務まるか」
「斬る以外にも方法はあるだろう!何故伊東先生のように政治面を考えない!」
「弱けりゃ斬られる。斬らなきゃ斬られる。剣を握らないかぎり俺らに待つのは死だ」
ここまでいくと土方は一種の気違いだが、こういう考え方をしていないかぎり新撰組副長は務まらない。
彼が気を緩めると一気に新撰組は潰れるだろう。
そのぐらいきつい立場なのだ。副長とは。
「頭を冷やせ」
最後にこう吐き捨てた。
「本当に君は殺すことしか考えていない!もういい!君の考えはよくわかったよ!」
山南には土方の考えは伝わっていないようだ。
ガラッ!
バンッ!!
山南は大きな音をたてて部屋を出た。彼がここまで荒れることはそうない。
「はぁー…」
土方は下を向いてため息を着いた。山南に対してではなく自分に対してである。
「歳…」
近藤は心配したような顔で見ている。
「すまない。一人にしてくれないか」
「あぁ」
近藤はゆっくり立ち上がると部屋を出た。
カラッ
カタン…
はぁ。俺が作ってしまった地位なんだよな…。
だから山南さんは……。
だがどうしても指揮は譲れない。
土方は新撰組を強くできるのは自分だけだと思い込んでいる面が少々ある。
誰にだって譲れないものがある。土方にとってのそれが新撰組なのである。
言ってしまえば局中法度も新撰組自体も彼が作り上げてきた理想像だ。芸術家でいう作品なのだ。
“土方くんは新撰組をいったいどうしたいんだ!本来は我々も志しているはずの攘夷を説く志士を見つけてはバサバサと斬り倒して!これじゃあ本当にただの人斬り集団じゃないか!”
ふと山南の言葉が脳裏に過る。
「……俺がやってることは正しいよな…?」
土方も部屋で一人、頭を抱えだした。
誠を貫くにはたくさんの犠牲がでる。
でもその誠は人によって違う。